都市農地の可能性を探る ART in FARM 2022 (立川) に向けて -3-
◆次回の作品展示のためのメモ書き
葡萄園の主、井上さんから、この農園が「生産緑地」というものに属していると聞き、初めてその言葉を知り、重い負担や制約を受け入れながらも、農地を受け継いでこられたことに、私は思いを馳せた。その選択を継続してきた理由として、井上さんがランドスケープを仕事とすることは大いに関係あるとしても、"誇り"が見え隠れするお話ぶりに、農園での丁寧に積み重ねられた時間と手入れ、自然と共にあることの難しさを問われた気がした。
さて、私はこの農園で、どのような作品を見ていただくのが適当か。やはり「生産緑地」という言葉が気になり追っていくと、その言葉の周辺は非常に複雑で、1960年代から始まった都市農業の存続に関わる様々な攻防を経て、今、都市を彩る緑地や農地は、大切にされるべきという流れに変わってきているようである。
以前制作した「簡」という作品に、葡萄園の樹齢100年を越える梨の木肌を型取り、今回、新たに制作したものを加える。農地に代々積み重ねられた時間を記憶しているだろう梨の木に、人が自然と共にあることの形の一つ、都市農地を考える。
モチーフは木簡。かつて紙ができる前、細長い木片などに文字を記録するために用いた。時間・人・自然の3つのキーワードを元に制作を進めることとした。
シリコンモールドから石膏を取り出す
2002年制作の「簡」
【都市農地の可能性を探る ART in FARM 2022】
会場 : 井上葡萄園 立川市富士見町3-15-20
会期 : 2022/10/08(土)~2022/10/16(日)
時間 : 11:00 ~ 17:00 最終日16:00まで
*入場無料
詳細は、イベントのウェブサイトにてご確認いただけます。
アーティストの作品は、会期中ご覧になれますが、メインイベントは、2022年10月15日(土) / 10月16日(日)となります。"音楽と食"も合わせてお楽しみいただけます。
升方允子の作品については、こちら升方允子のWebsiteへ。
2022.09.28 | | Trackback(0) | 制作について
