成田智恵 インタビュー ◇◇◇ 2002年卒多摩美ガラス5人展
10月1日(日)から始まる ◇ ◇ ◇ 2002年卒多摩美ガラス5人展。メンバーの皆んなに、卒業当時の進路から制作のこと、またこれからの展望について、升方がインタビューをした。
「何者にもならなくても、面白いものを作っていければいいのかな。」アイスランドへの旅行がきっかけで、手が再び動き始めた! Tomoe Narita
桑沢デザイン研究所でデザイナーとしての学びを経て、多摩美のガラスコースへ入学したきっかけから、多摩美卒業後のことを伺った。
野田秀樹の舞台の内藤こづえ(ひびのこづえ)の衣装が好きで、服飾に興味を持っていたから、桑沢デザイン研究所(以下、桑沢)に入った。でも、卒業後の悶々とした思いを抱えた日々から、仕切り直さなきゃと思い、桑沢での特別授業の講師から現代美術の講義を聞いた時、とても面白かったことを覚えていて、改めて芸大・美大に入りたいと思い、予備校での受験勉強を経て多摩美に受かって学べることになった。
「多摩美を卒業した後は、どのように制作をしてきたの?」
3つのアルバイトをしながら公募に作品を出してきたのだけど、段々とアルバイトの仕事が忙しくなってきて、次第に応募もままならなくなっていった。そんな中で、2012年に10年ぶりくらいに海外旅行にいったのね。それが、好きなミュージシャンのムームがアテンドする社会科見学みたいなので、アイスランドに行ったのだけど、そこで仕事や生活をしながら、面白いものを作っているアイスランドの人がたくさんいたの。アイスランドのおばあちゃんが、ビョークの「メダラ」というアルバムのジャケットにあるような馬の毛の髪飾りを編んでいたりして。そこでアイスランドの人々に会うまでは、桑沢と多摩美に行ったんだし「とにかくアーティストにならなくては」と、誰に言われた訳ではないのに強迫観念のようなものにとらわれて、かえって制作意欲を失わせていた気がする。アイスランドでの出会いで、「何者にもならなくても、面白いものを作っていければいいのかな」と思うきっかけを得たんだ。アイスランドの旅行を皮切りに、”旅本” を作るようにもなって、少しずつ再び手が動き始めて、以前から知っていたニヒル牛(荻窪)で作品を発表させてもらえるようになった。
「今はシルクスクリーンで ”布もの” も作っているね。シルクスクリーンでオリジナルの布を作ったら、行き着く先は洋服を作りたくなる気がする。巡り巡って、桑沢での学びが生きてきている感じがする?」
服の作りでは、どうしたらフレアが入るとか覚えているし、元々洋服が好きだし、めちゃくちゃ役に立ってる。何なら学校に行っていた時より作っている。
「なりちゃんは絵も描けるし、多摩美で出会ったころから、はっきりした視点で物事を判断できる人。これからは、どのようにものづくりをしていきたい?」
作るのが楽しいし、それを買ってくれるお客さんもいて、今が一番バランスがいいと思う。いつまでこのペースで作れるかわからないし、作りたいと思ったら、すぐに作りたいと思う。これからも、日和った作り方はしたくないよ。
◆◆◆ 2002年卒多摩美ガラス5人展
会期 : 2023年10月1日(日)~2023年10月8日(日)
時間 : 12:00~19:00(最終日17:00まで)
会場 : DEN+ (東京都渋谷区恵比寿南3-1-14-1F)
DEN+ 展覧会ページ
協賛 : 一般社団法人多摩美術大学校友会

升方允子の作品については、こちら升方允子のWebsiteへ。
2023.09.26 | | Trackback(0) | 作家/Artist
