Tomo Sakai インタビュー ◇◇◇2002年卒多摩美ガラス5人展
10月1日(日)から始まる ◇◇◇2002年卒多摩美ガラス5人展。メンバーの皆んなに、卒業当時の進路から制作のこと、またこれからの展望について、升方がインタビューをした。
素敵だと思うものは日本のものが多い。結局、作品が日本っぽくなるし、日本を忘れたくない。Tomo Sakai
多摩美在学中から国外のワークショップへ積極的に赴き、卒業後は同期の中で、真っ先に海外へ飛び出したTomo Sakai。在学中にドイツにあるフラウナウでの2週間の滞在を皮切りに、卒業後はチェコへ。
「卒業してからチェコに行くことを決めたきっかけは何だったの?」
在学中は、卒業後は吹きガラスで一本でやっていきたいと思っていたけれど、向いてないのかもと思うこともあった。ドイツのフラウナウでエングレービングを学んだことで、吹っ切れて、これからはエングレービングに集中して制作をしていきたいと思えるようになった。そのドイツのワークショップの先生がチェコの先生で、「もっとエングレービングを学びたい」と相談したら、「じゃあ、チェコの学校にきなよ。」と言われて、そのままチェコに。チェコには3年いて、そこでは特にトラディショナルなエングレービングが重宝されていた。その時もそうだけど、流れに乗ってここまで来た感じはしている。
「チェコの後、すぐに今の拠点であるアメリカへ行ったの?」
その後、日本に戻ってきて、岐阜にあった第三セクターの工房で、1年間キルンの講師として仕事をしていたのだけど、多摩美ではキルンをほとんど選択してこなかったから、そこでの仕事はとても勉強になったと思う。
「そして、いよいよアメリカへ。」
10年くらいアメリカでやってみて、ダメだったら日本に帰ってくればいいかと軽い気持ちで行ってみたんだけど。今所属しているところが、2年間のアーティスト・イン・レジデンスを募集していて、最初は作品を作って、毎週何かしらの仕事をすれば、制作場所とトレードしてもらえる仕組みでやっていたのだけど、今はクラフトセンターの生徒を教えている感じ。教えることは苦手なの。でも、自分の技術をシェアする気持ちでやると、生徒の皆さんが新しい技法を喜んでくれて、よかったなと思っている。だいたい一通り、教えられるようになったよ。
「4カ国を移動してきて、変わったもの・変わらなかったものはある?」
チェコに行ってエングレービングの技法を学んで、やっとスキルを得られたと思えたことは良かった。でも、ドローイングをすると自分の本質は変わらないなと思う。色んな技法を使うし、ガラス以外もやるし、その過程でまた、ガラスに戻ってきたりしながら制作を続けている。
「これから進めていきたい制作はどんなこと?」
カメオ エングレービングを進めていきたい。被せガラスでレイヤーを見せる作品で、グラデーションを出していくのが楽しい。日本の模様などが気になっていて、結局素敵だなと思えるものは日本のものが多い。出来上がった作品を見ると私っぽいなと感じるよ。
◆◆◆ 2002年卒多摩美ガラス5人展
会期 : 2023年10月1日(日)~2023年10月8日(日)
時間 : 12:00~19:00(最終日17:00まで)
会場 : DEN+ (東京都渋谷区恵比寿南3-1-14-1F)
DEN+ 展覧会ページ
協賛 : 一般社団法人多摩美術大学校友会

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2023.09.27 | | Trackback(0) | 作家/Artist
