升方允子 インタビュー ◇◇◇2002年卒多摩美ガラス5人展
10月1日(日)から始まる ◇◇◇2002年卒多摩美ガラス5人展。5人目は升方に、卒業当時の進路から制作のこと、またこれからの展望について、アマヌマがインタビューをした。
生活や制作環境が変わっても創作活動は続けていく。ガラスでできることは、まだまだあると感じている。Masako Masukata
「2002 年の卒業当時は、進路についてどのように考えていた?」
つくりたいものやイメージは既に決まっていて、創作活動を続けるにあたって大学以外のアカデミックではない、自由につくれる場所を探していた。アカデミックな場所に完全に飽きていた。実際には、決まるまでにいくつかのきっかけがあって、大学4年の夏に、クラシックバレエをベースにしたクラスを、一般の人に向けてひっそり運営している女性に富山で出会って、その方の雰囲気がとても良くて、卒業したら、しばらくこの人に付いてみようかなと考えていた。卒業するころには、アカデミックな場に飽きていたのにも関わらず、一応受けていた富山ガラス研究所 (富山の公立グラスアート専門学校) の試験も落ちていたが、両親には、高齢の祖父母の見守り役も兼ねて自身の故郷でもある富山で制作することについて許可をとり、制作と週2~3回のレッスン、アルバイトをしながら、祖父母と3人で2年と少しの間を過ごした。
「富山からもどってきた後は?」
富山での活動の2 年半後に東京へ戻り、同期生たちの共同アトリエに合流したけれど、結婚を機に北海道は札幌に移ることになった。そちらに移った翌年には第一子を出産。育児と士気の喪失などが重なって、制作は一旦休止状態に。
「制作再開のきっかけは?」
自身の Websiteは活動休止期間中もオープンにしていたところ、突然Website経由でグループ展のお誘いを受けた。その時点で、休止してから5年ほど経っていて迷ったが、友人からのアドバイスもあり、ここで参加しなかったら二度と作品を作る機会が来ないかもしれないとの思いからグループ展に参加することに。
その展覧会をきっかけに、徐々に創作活動を再開していった。
「その後から現在まで、どのように制作してきたのだろう。」
石こうとガラスのコンビネーションで作品を作ってきたが、特にガラスについては、電気炉を使ってストックガラスを加工していた。段々とガラスの表情に限界を感じるようになり、学生以来ぶりに吹きガラスに向き合うことにしたところ、インスピレーションが増えて可能性が広がっていった。以降、造形作品の他、インテリア小物やアクセサリーなども吹きガラス技法も用いながら制作している。
「今後、作品でやってみたいことは?」
ガラスでできることはまだまだあると感じていて、素材との掛け合わせで、その可能性を広げた作品づくりをしたいと思っている。どんな環境にあっても手は何とか動かして、美術の学びのスタートを "ガラスという素材から切った" という原点を忘れないように続けていければいい。
◆◆◆ 2002年卒多摩美ガラス5人展
会期 : 2023年10月1日(日)~2023年10月8日(日)
時間 : 12:00~19:00(最終日17:00まで)
会場 : DEN+ (東京都渋谷区恵比寿南3-1-14-1F)
DEN+ 展覧会ページ
協賛 : 一般社団法人多摩美術大学校友会
升方允子の作品については、こちら升方允子のWebsiteへ。
2023.09.29 | | Trackback(0) | 作家/Artist
