大袈裟ではなく、リカレント教育としての 【Art Alliance】 -4-
【英語で学ぶ西洋美術史】~海外の美術館でボランティア・ガイドになりたい方&リベラル・アーツを学びたい方向けの講座~
こちらは、2017年から2018年にかけて、およそ1ヶ月に1回のペースで1年間ほどかけて通った。「海外の美術館でボランティア・ガイド」の前提として、初歩的な西洋美術史の講義を受けるというものである。初歩的といえども、新旧約聖書から北方ルネサンスまで学ぶのに、毎回3時間近い講座。( 深い… ) 事前の予習英文などもあって、それを踏まえての対話がある。タイトルにもあるように、美術館でのボランティア・ガイドに興味のある方向けということで、メンバーの作家比率は低い。さらに、海外生活の経験があって既に英語に支障がない方の中に、英語の辿々しい作家がポツンといるのは、意外と勇気がいるのである。
こちらの受講を決めた理由を以下に。
「子供と鑑賞する際、今まで以上に個人的な好き/嫌いの基準で様々な作品を見ないために。」
そして、何回かこの無垢な鑑賞者を連れ立って美術作品を見ていく機会の中で、ガイドの姿勢を取り入れる必要性を感じていた。
「コーチング」のベースでもあるが、「オープンな問いかけ」と「クローズドな問いかけ」の存在を、こちらが自覚しながら、鑑賞者をほんの少しだけリードする必要があること。鑑賞者の多様性への認識と理解、つまり性格や思考の癖によって学び方/鑑賞のスタイルがあって、強制されるものではないこと。
このように、美術史の後、ガイドの姿勢や鑑賞者への問いかけの方法などについての簡単なディスカッションがあり、言葉(作家のステートメントなど)から鑑賞に入ることが少ない子どもに対して、特に大切なことに気づいた時間であった。余談だが、子どもは作品のディテールを非常によく見ている印象があり、全体からではなく作品の中心から思考を広げていくことが多い印象だ。(あくまでも個人的経験から)
ガイドの方に話が膨らんでしまったが、基本的にこちらの講座は、感情/個人的感想に左右されることなく、現代美術を含む様々な作品の宗教的背景を理解してからその前に立つ事で、作家の理解へ繋がることを教えている。参加者の視点次第で、如何様にも広がっていく講座で、密かなお勧め講座なのである。
升方允子の作品については、こちら升方允子のWebsiteへ。
Please check the Artist, Masako Masukata.
2020.07.18 | | Trackback(0) | Art Alliance
